例えば植物から放射されているオーラを例にとって書いてみましょう。
まず初めに普通の人の意識は、植物にオーラがあるなどとは考えていません。
そういうことは学校の科学では習わないし、普通に生活する中では見えないし、仮に見えたとしても、それが何かの役に立っているなどとは考えないでしょう。
これは人間の視覚そのものにオーラなどの波動で現される何かを見る能力が無いということでありません。
その方法を知らない、その意味を知らないという、無知な状態だと言うことです。
無知(知識がない)と無能(能力がない)は全く意味が違うのです。
こういう分野に興味のある人達の多くは「私には能力がないんです」と言う表現の仕方をします。
しかし前の章でも書いたように、目の機能として能力が無いのではなく、それを見るための方法を知らないと同時に、見る訓練が行われてないだけです。
なぜオーラなどの波動的な動きが現れる何かが見えないのかの決定的な原因は、その存在を認めていない部分でしょう。
目で見えないものは存在しないという思い込みです。
目に見えないというのは、空間に何も無いという観念を現しています。
空間に何かが存在しているということを理解することが教えられてないからです。
次の要素はそのような空間には何も無いという観念から、視覚を使って物を見る時に、空間に視点を留まらせる訓練が行われなていないことです。
目は自動的に物質的な形を持っている対象物に対して焦点を合わせる癖をつけるように学んで来たのです。
これも私たちの無知さ下限が生んでいるものの一つで、生まれた時から現在まで、空間の中に視点を合わせるという訓練がされてないためです。訓練されてないのに、いざそれをやろうと思っても、視点を動かす時に使っている筋肉が上手く反応しないのです。
これは私たちが自分の肉体を意識的になって使ってない、子供の頃から無意識的に身体と関わって来ていると言う意識の状態の現れです。
私たちは身体を意識的に訓練してきてないという意味で、オーラが肉眼で見えないのは、身体を柔軟に保つ練習や癖を持ってない人の身体が堅くなるのと同じレベルの問題なのです。
では分かりやすい例で書いてみましょう。
椅子に座って今から窓を見ているとします。
視線は当然のように目に見えるものに自動的に焦点を合わせます。
視点は椅子に座っている場所と、目の焦点が合っている外の風景のどこかの間の空間そのものには合わされません。
それは視覚の焦点は捉えやすい明確な対象物を好むからです。
これは大きなものの方が小さなものよりも目の中に入って来ることと同じ原理です。
そこに鳥や蝶チョなどの目に見える物体が横切ると、視覚はそれに焦点を合わせることが出来ます。
しかし、オーラや波動といった非常に微細な粒子のようなものは、その輝きがハッキリと明確に現れるまで物として捉えないのです。
次の要素は環境です。
肉体や植物、クリスタルなどの物質のオーラが肉眼で見えにくいのは、空間の中に光りが溢れているからです。
この光りというものも肉眼では見えない類いのものです。
私たちは光りというものを理解していますが、肉眼で光りそのものを見ている場合は非常に稀なのです。
物質から放たれるオーラというのは、空間そのものに溢れている光りと同じものなので、空間の中の光りの量が変わらないと見えにくいのです。
スフィアのクラスの中で、肉眼で人間のオーラを観察する内容があります。
生徒さんにオーラを見てみましょうと言うと、皆さん「えっ? そんなの肉眼で見えるんですか?」と口を揃えたように言います。
カーテンを引いて部屋の明るさを暗くして、ある暗さの段階にまで落とすと、見えるようになり、真っ暗にするとまた見えなくなります。
次の段階は目の慣れです。
明るい所から暗い場所に一気に移動したり、逆に真っ暗な場所から非常に明るい場所に移動した時は、目の前が真っ暗になったり、真っ白になったりします。
これは目のレンズが光りの量の調節するのに間に合わない時に起こる現象です。
部屋を暗くして、レンズがその部屋の中の光りの量に慣れて来ると、それまでは真っ暗にしか見えなかったのに、次第に物が見えるようになるのと同じ原理です。
空間の中の光りの量が適切になり、目のレンズの準備が出来たら、次の段階に入ります。
オーラなどの波動が見えるための光りの角度というものがあるからです。
微細になった光りを放つ光源がどこにあって、その微かな光りがどの角度で肉体に当たるのかによって視え方が違うのです。
これらの全ての条件が整い始めて、次は視点を空間に合わせる練習をします。
この段階に入ると大体は肉眼でオーラが見えるようになるので、視覚は焦点を合わせやすくなっています。
そうすると意識は自動的に視点をオーラに合わせることに慣れてゆくので、始めた頃より時間が経過してゆくと、更にオーラが明確に見えるようになります。
続く・・・
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