現在の私たちに巨大な影響を及ぼしている小さい頃の記憶を保持している「インナーチャイルド」は潜在意識の領域に含まれます。
それは何かの切っ掛け、感情を揺るがす何かの引き金が引かれないと表に現れてこないからです。
感情的に揺さぶられないと深層意識の中に隠れている部分が出て来ないのです。
私たちは一般的には義務教育を受けることが済んでから、場合によっては大学や専門学校、大学院を卒業すると、社会へと入り、就職先に努めながら最終的には家族から自立する生活を送るようになります。
後には結婚したり、パートナーを見つけて家庭を作り始めます。
親の保護の元で生活している子供が大人になる段階では、親からの自立という項目が大きな意味を持ちます。
では学校教育で「大人になるとは?」といった内容の講義が行われるか? といえば、決してそうではありません。
授業の中に「大人になるために学ぶ最低必要限な内容」というクラスはないのです。
大人と言う定義は、ある程度肉体的に成長して、社会に出て働いて自立するという姿が一般的でしょう。
その他にも「大人としての分別を持つ」とか、「大人としての振る舞いを身につける」ということも含まれます。
では社会に出ている大人の全てが、この「大人としての分別」や「大人としての振る舞い」を身につけているかと聞かれたら、それは千差万別でしょう。
しっかりとした大人としての自意識を持っている人もいれば、全くそうでない人も沢山います。
人間は大人になっても感情を持つ生き物であることに変わりありません。
社会生活の中でも多かれ少なかれ感情が乱れて、理想的な大人とは思えない言動をする場合も多々あるのです。
見かけは立派に成長した大人の姿をしているけれど、何かのことが感情や心の動きに引っかかると、潜在意識の中に隠れているインナーチャイルド(未成長の子 供の部分・大人の中の子供性)が急に顕在の意識の中を支配して、とても分別のある大人の言動とは思えないことを言ったり、行ったりして他人の感情をコント ロールしようとするのです。
前の部分で感情のドラマとコントロールは「生き残りのシステム」だと書きました。
子供は成長する段階で、様々な体験を通じて大人へと変容してゆきます。
そして大人としての意識が成長してゆくと、大人っぽい振る舞いと、子供っぽい振る舞いに違いを見いだすようになります。
子供の時から大人っぽい振る舞いをする場合もありますが、そうだからといって、大人になってから突然にインナーチャイルドが出現しないのかといったら、決してそうではありません。
子供にとって大人のように振る舞うというのも、生き残りの智慧の一つに当たるからです。
ではこのインナーチャイルドが潜在的な意識に隠れてしまうという部分について書いてみましょう。
子供は成長する過程で様々なことを学びます。
その中で最初に出て来るのが、生き残るための智慧です。
乳幼児の頃は欲しいものを自分で手に入れられないので、お腹が空いたら泣く、ウンチやオシッコが出て気持ち悪くなったら泣く、’眠たくなったら泣きます。
言葉を自在に操れないので感情や身振りなどの行動でコミュニケーションを図ることを学び始めるのです。
孤独を感じたら泣く、愛情が欲しかったら泣く、とにかく親の意識を自分の方へ向かせるために、何かしらの訴える行為をするわけです。
この部分が生き残るための智慧の始めの部分、生き残るための基本的な動機です。
そして次の段階では直立して歩くことや、言葉を覚えて、会話として話すこと学んでゆきます。
子供は言葉が話せないからといって、考える力が全くないわけではありません。
脳が成長をしていって自然に言葉を学ぶ、言葉の使い方を学ぶ、会話の方法を学ぶように、子供は自分の見る世界、感じる世界を通じながら、周囲の環境から様々なことを学ぶのです。
この動物的な智慧は、自分と周囲の環境を通じて働きます。
大人の視点から考えると、子供の世界観というのは非常に狭いものです。
幼児期の子供は自分中心にものごとを捉えるのが普通です。
親を自分の思う通りに動かそうとする乳幼児の視点から見ると、自分を中心にして家庭が動いているように思えるからです。
子供よりも生活範囲、社会の範囲の大きい大人に比べると、子供を取り巻いているのは家庭環境だけです。
子供は家庭の環境しか知らないので、その他のことは頭の中にデータとして入ってないのです。
家庭以外のことを考慮にして考えることなど出来ない子供は、その狭い世界観の中で思い込みの世界を創り始めるのです。
そして、その狭い世界の中で経験したことが鮮明に刻印されたように意識の中に根強く残ってしまうと、それが大人になってからも大きな影響力を持つようになるのです。
続く・・・
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