それは頭の中なのでしょうか?
それとも脳の中なのでしょうか?
脳の中だとするのであれば、いったい脳の中のどこの部分で思い出しているのでしょう?
生理学的に人間が記憶を思い出す時はニューロンのネットワークを使った回路を使っているとされています。
また脳の大脳辺縁系に分類される、対をなしたタツノオトシゴのような形をした「海馬」と呼ばれる部分が記憶を保存すると言われ、この記憶の貯蔵庫を手術で除去してしまうと新しいことを記憶できなくなるそうです。
では次にわたし達の「記憶」を例にして意識の視点を説明してみます。
わたし達は意識的になってテスト勉強の答えや電車の時刻、買い物のリスト、クライアントの名前を覚えるなどの他にも、潜在意識化では絶えず物事を記憶し続けています。
人間の記憶は、思い出す過程で様々な影響を受けて変容してしまいがちだというのは知られています。
例えばフォルス・メモリーというものがあり、過去にテレビや映画で観た映像が、自分の体験した記憶と混在してしまうことがあるのが分かっています。
それだけわたし達が記憶を思い出す行程には曖昧さが多いということです。
これをポジティブに捉え直してみると「記憶を思い出す行程は柔軟性を持っている」という風に言い換えることも出来ます。
それでは昨日の夜に食べた夕食を例にしてみます。
昨日の夕食を食べた時に、あなたは意識的に「今晩はこの夕食を食べたことを記憶しよう」とは思わなかったと思います。
それでは、いったい何を食べたのかを出来るだけ詳細に思い出してみて下さい。
あなたは一体どのように思い出しますか?
その記憶、または映像を一体どこで思い出しますか?
目を閉じて思い出しますか?
それとも目を開けたまま思い出しますか?
ではもう一回なにかを思い出してみてください。
あなたは思い出した映像を、目でものを見る時のように大脳の後ろの部分で観ているように感じますか?
それともどこか別の場所で観ているように感じますか?
では次の実験です。
再び昨晩食べた夕食を思い出してください。
あなたは目の前に出された食事そのものを思い出しますか?
その場面をどのように思い出すのか記憶を呼び起こしてください。
夕食を食べているシーンをどのように思い出しますか?
思い浮かんで来た映像は、一体どのような映像でしょう?
目の前に食事があって、箸を持って食事を口に持っていく映像ですか?
思い出した記憶の中に、自分の姿が入っていましたか?
それとも目の前の食事だけですか?
この簡単なエクササイズを多くのクライアントさんに行ってもらいました。
皆さんが驚くのは、思い出した映像の中に自分の姿が入っていることです。
自分の両目を通じて記憶されているはずの風景は、目の前に出された食事だけではなく、食事をした空間、食事をしている風景を身体の外から観察しているように思い出すことも出来るという多角的な方向性を持っています。
記憶の思い出され方が、実際の目を通じているかのように思い出される場合でも、脳裏の中で再構成されて空間として思い出される場合でも、それらの映像を脳裏で思い浮かべていることには変わりはありません。
視覚的な映像というのは、脳裏の中で再生されます。
そして、実際に目を開けてものを見ている場合でも、目を閉じて何かをイメージしている場合でも脳裏で映像を受け止めているのです。
目を開けてものを見ている場合は、眼球のレンズを通して絶えず映像が送られて来ますから、細かな部分まで見ることが出来ます。
目を閉じると映像は見えなくなり、今まで見ていた映像を思い出そうとしても、目を開けている時のように明確には思い出すことが出来ないでしょう。
それは目を開けて見ている時に、その映像が意識的に脳裏に記憶されていないからです。
私たちは目を開けている時は絶えず映像を見ていますが、では受けとっている映像がそのまま脳裏に記憶されているかと言うと別問題なのです。
続く・・・
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