ジェームズ・ミッチェナー原作の同名小説を元にしたジュリー・アンドリュース、マックス・ヴォン・シドー、リチャード・ハリス、ジーン・ハックマン出演の1966年の映画化作品。
これは凄かったです。
3時間6分の超大作なんですが、久々に感動しました。
カメハメハ大王が亡くなってからの、宣教師や捕鯨船の船乗り達がハワイにやって来た頃のハワイを描いているのですが、もの凄く細かくリサーチされていて、プロダクションもとても忠実に昔のハワイを再現しています。
舞台になるのはホノルルではなくマウイ島のラハイナなんですが、実際に撮影が行われたのはオアフ島の西海岸のマークア・ビーチ。製作準日に5年、プロダクション製作に2年を費やした超大作です。
カメハメハ大王の後を継いで島を治める「マーラマ」という女性のアリイ・ヌイが登場して宣教師の夫婦とのやり取りが進んでいくわけですが、モデルになっているのは完璧にカアフマヌでした。
ジェームス・ミッチナーという作家の方は、他にもアメリカン・インディアンが西洋人と遭遇して、その文化が変化してゆく過程の小説も書いているそうです。文化統合時期の混沌としたドラマに魅せられていた方なのかもしれません。
カメハメハ大王が亡くなった後に、彼の寵愛した妃であるカアフマヌが、クヒナ・ヌイ(摂政)としてカメハメハ二世、三世の後ろ楯として政治を治めるのですが、とにかくハワイアンの概念と宣教師のクリスチャン的な思想の違いが見事に浮き彫りにされています。
アリイ・ヌイの死の場面や、ハシカの大流行やら、捕鯨船の船乗りとの争いやら、この時代の歴史的な事実をかなり忠実に取り込んで凝縮させ、見事に再現しています。
ほんの少ししか出てきませんが、フラの生き神様のアンクル・ジョージも瞬間的に出て来てフラカヒコのチャントを詠っていたような気がしましたが・・・。
とにかくプロダクションの細かさには開いた口が塞がらないくらいの巧さです。
「ハワイ」は一応クラッシックで文芸大作系に分類されるのではないかと思います。
ドラマに密着し過ぎずに、距離感と客観性の保たれた昔の作風というのもありますが、メリー・ポピンズやサウンド・オブ・ミュージックで有名な、ジュリー・アンドリュースの純粋で明るいオーラが、かなり重たくなり得る内容をとても緩和していて、観ていて厭味がない映画です。
現在の映画のような過激さが無く、最初から最後まで何か爽やかな風が吹いていて風通しが良い映画っていうんですか・・・。
外国人がハワイにやって来て、宗教観や生活習慣、様々な事が変化して、疫病の拡大と言った混沌な状況に入るという盛り上がりが多々あるにも関わらず、悲壮感に苛まれずに、最後まで奇麗に見れてしまう類いの映画です。
マックス・ヴォン・シドーの演じる宣教師の狭義的なキリスト教の醜い部分と、アンドリュースの演じる宗教観や文化的習慣からの制約に捕われない、 無償で、無条件の愛のあり方、西洋化する前のハワイアンの目論みのない素朴さとか、純粋無垢さ、西洋文化に汚染されてしまう果敢なさがとても奇麗に描かれ ていると思います。
文章からだと分りにくいハワイアンの昔の社会が非常に具体的に再現されているので、ハワイの歴史が好きな方には超お勧めします。
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