その時には、観光客が味うハワイの有難さはスッカリ頭からなくなっていました。
本当に贅沢だとは思いますが、常に自分の周りにあるものというのは、次第に感謝の気持ちが薄れて行くものなのかもしれません。
そして、それを失った時に初めて、その有り難みが理解できて、それに感謝するようになるのですよね。
ワイキキという場所は観光拠点なので、世界中から観光客がやって来て、いつも沢山の人で賑わっています。
とにかく本当に観光客で賑わっているので、悲しいことにローカルの方々はワイキキにはさほど寄り付きません。
お食事もパーキングもワイキキ・プライスなので、普通のローカルの方々には負担が大きすぎるのでしょう。
あのマクドナルドでさえワイキキ・プライスなのです。それに駐車場が少ないのも原因です。
それでも私は結構ワイキキが好きです。あまり買い物はしないのでモールやブティックには全く縁がありませんが、とにかく何でも揃うのでトッテも 便利だと思います。
ABCストアに行けば食べ物からお土産、薬まで何で揃っているし、銀行から印刷会社もあります。
バスも通っているし、日本からやって来る友達ば必ずワイキキのホテルに泊 まっているので、仕事が終わってからすぐに会えるし、日本食屋さんもたくさんあるので便利でした。
その時のお気に入りはロイヤル・ハワイアン・ショッピングセンターの1階にある和食屋さんの浪花屋さんの出店ブースでした。
ここのお弁当は良く買いに行きました。
多分ここのお弁当がワイキキで一番美味しかったのではないでしょうか。
おかずも沢山入っているし、ホウレンソウの胡麻和えや、サンマの煮物なんかの小売りもありました。
家でそれらのものを作らない私にとってはトッテも有難いお店の一つだったわけです。
お弁当を買って事務所に戻って食べるのも何だか味気ないので、観光客に混じってブースの脇のテーブルの日陰で本を読みながらパクパクするだけで何となく解放された気分を味わえました。
その当時に良く利用していたタクシー会社のお気に入りの運転手さん曰く「ワイキキは祝福された場所」だと説明してくれました。
その運転手さんはとっても良い人で、時々時間チャーターなんかを頼むと、信じられない位に安い料金で乗せてくれたりしました。
タクシーの運転手さんと仲良くなると、彼らは色んなことを教えてくれます。
数時間チャーターしてクアロアまで写真を撮影しに行ったこともありました。
しかし、ある日パッタリと突然のように連絡がつかなく なったと思ったら、今度は何とビックリ、裏でコカインを売買してて捕まってしまったという話を他の運転手さんが話してくれました。
FBIに捕まって本土の監獄へと送還されたそうです。
外見はとっても良 い叔父さんだったので非常に驚きました。
話し戻ってワイキキが何で祝福された土地なのか?
それは他の場所に比べて雨が降らないからです。
その当時の 自宅だったカーハラやホノルル全体に雨が降っていたとしても、ワイキキだけは晴れてたり、仮にシャワーが降ってもすぐに上がってしまうのです。
ワイキキからすぐ近くのカパフル通りで雨が 降っていても、なぜだかワイキキは晴れてることが多いんです。
だから観光客がワイキキに来て、ず~っと雨が降っている場合はとても運が悪いとしか言えません。
当時の私はビーチな人ではなかったので、滅多なことではビーチに横になって日焼けをしようなんて思うこともなく、買い物もしないけれど、ワイキキを歩くのは結構好きでした。
あれだけの観光客が闊歩しながらもワイキキ全体の波動は常に気持ち良いものなのです。
歩きすがりでも、車で通りすがっても、友人のお買い物につき合い、外にいれば何となく自然にリラックスしてしまいます。
普段はワイキキのビーチや青空に有り難みを感じる余裕なんてないし、いつもそこにあるので別段気にもとめることなどないんですが、何かのはずみで、ふとワイキキを見るチャンスがあると結構安心すしていました。
例えば、お昼休みに地下の和食屋さんで食事をした帰りに、階段を上がって通り向かいに出るとワイキキの青い海が別世界の美しさで目に飛び込んできます。
それがほんの一瞬だとしても、その青さを見ただけで有難さを思い出させてくれるのです。
仕事が就業時間近くになり、窓に濫立するホテル群の後ろで次第に色が変わって行く夕暮れの空を見るだけでも、なんて美しいんだろうと思っていました。
その夕焼けの風景を見ながら、「どうしてワイキキはこんなに栄えているんだろう?」と考えたりしました。
あんなに沢山の人が闊歩していて、ビーチは物凄い人たちが所狭しと横になって日焼けしたり、ビーチ遊びをしているのに、その開放感には全 く影響を与えないのです。
あのビーチに円満する不思議な程にリラックスした波動は、いったい何処から湧き出ているんだろうと考えたりした時期もありました。
ワイキキのビーチにはそれぞれ固有の名称があり、ダイヤモンドヘッドの麓まで続いている長いビーチも場所によって呼び名が違います。
そして不思議なことに、それぞれのビーチで波動も違うのです。
その 中でも波動が絶えず気持ち良いのは、モアナ・サーフライダーからカパフル通りまでのクーヒオ・ビーチです。
この区間に一番リラック ス出来る波動が円満してると思います。
別に水着に着替えて泳がなくても、周辺をウロウロしているだけで身体中の細胞が自然とリラック スしてしまうのです。
その不思議さの理由はクーヒオ・ビーチにあるハワイアンの聖地の一つである「魔法使いの石」のおかげでしょう。
知る人ぞ知るこの巨石は、モアナ・サーフライダー・ホテルの隣の交番の横に柵付きで保護されてる4つの石の配列で、その昔にタヒチから来た高僧のカーフナがヒーリングの「マナ」を閉じ込めていったとされる伝説を持っています。
元々は同じビーチの別の場所にあったそうなのですが、何度かのビーチ開発工事のために移動されて現在に落ち着いたそうです。
昔のプリンスが「絶対にこの石組みをワイキキから動かしてはならない」という遺言を残しているほど曰く付きの石組みなのです。
かなり前に日本のサイキックな感覚の友人が訪ねて来ました。その時にこの石を紹介したら、彼女はとっても嬉しくなってしまい、両腕を広げて石の柵の周りを早歩きしながら気持ち良さそうにグルグルと歩きまわっていました。
心を静め、身体を「感じるモード」に切り替えると、確かにその石組みの付近から回転する波動が横広がりに溢れ出ています。
それを感じてから彼女と一緒にグルグルと石の周りを歩き回りました。
身体がその波動に乗ってしまうと、その柵の周りを自然に歩き始めてしまうのです。
ワイキキの波動の良さはこの石組みから来ているとしか思えません。
買い物につき合って夕暮れのワイキキを歩きながら、刻一刻と青く変化してゆくビーチの趣を眺めていると、まるでブルーのセロファンを目の前においたかのように辺りは透き通ってゆきます。
とっても透明感のあるブルーから紺色へ変わり、やがて星の瞬く夜になります。
ほんの5分から10分のあいだなのですが、買い物も忘れてしまい、ただ空の色や、その青さに反射して同じように青くなる周囲の光景を眺めているだけで、時が止まってしまったような感覚に陥るのです。
ワイキキに泊まるのであれば、夕暮れ時だけはお買い物やお食事は避け、クーヒオビーチの辺りをプラプラと散歩しながら夕焼けの空を楽しむのが超お勧めです。
出来ればハワイアンなカクテルを屋外のテラスやバーで飲みながら、世界が静かに色を変えながら夜になってゆく姿をリラックスして眺めてみてください。
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