エグゾドス:神と王①

アロハ

読者の皆さん、大変ながらくお待たせしました。

ようやくBlogを再開する気分になってきました。

その大きなきっかけになったのが、この年末に公開される映画「エグゾドス:神と王」です。

2014年の年末に公開される映画は、楽しみな内容のものが目白押し☆

その中で個人的に最も気になっているのが、ブレードランナー、グラディエイター、エイリアン、プロメテウスなどの作品を手がけてきた大御所監督、リドリー・スコットの最新作「エグゾドス:神と王」。

近年中で古代エジプトを舞台にした映画は、かなり久しぶりの登場です。

過去にいったいどれくらいの数の古代エジプトをテーマにした映画が制作されているのか調べてみました。

ウィキペディアではたったの44本。
http://en.wikipedia.org/wiki/Category:Films_set_in_ancient_Egypt

意外なことに、思ったより制作されていません。 

古代史を舞台にした映画はたくさん制作されてきたのですが、古代エジプトものは様々な角度で難度が高いのかも知れません。


 映画「エグゾドス:神と王」は、ラムセスと兄弟として育ったモーゼがユダヤ人を引き連れてエジプトを脱出する物語です。


この「エジプト脱出」に関することを調べていたら、興味深いことが判明しました。

一般的にモーゼが神の声によって率いたエジプト脱出は、ラムセスの時代とされます。

しかし、エジプト脱出の明確な年代は判明していません。

その理由は、ユダヤ人のエジプト脱出を書いたどの古代文書にもファラオの名前が記載されていないからです。

この部分は古代エジプト史の中に名前が消されたファラオ達がいることに関係しているかも知れません。

そして出エジプト記の候補に挙がっているのが以下の時代のファラオになります。

エジプト第2中間期
(中王国時代の終わりから新王国時代の間)
  第16王朝:デドゥモス1世

☆新王国時代・第18王朝 
 イアフメス1世紀元前1550〜1525)
 アメンホテプ2世紀元前1425〜1400

☆新王国時代・第19王朝 

 ラムセス2世紀元前1279〜1213
 メルエンプタハ(c.1213-1203

☆新王国時代・第20王朝 
 セトナクテ紀元前1189〜1186)

これらのエジプト出国記をめぐるファラオ候補が新王国時代に集中しているのも興味深いと思いました。

映画「エグゾドス:神と王」ではラムセス2世の時代が設定されています。

 
 
ラムセス2世は第20王朝で三番目のファラオ。

彼はセティ1世の息子でラムセス1世の孫にあたります。 

ラムセス2世の時代で興味深いのは以下の記述。

24歳で即位
66年間統治
90歳で没した

アブ・シンベル神殿を造営、カルナック神殿」やラムセス2世葬祭殿(ラムセウム)など多数の建造物を残している。

その間、第1王妃ネフェルタリのほか、何人もの王妃や側室との間に、111人の息子と69人の娘という、とても数多くの子を儲けています。 

ラムセス2世の時代は、とても繁栄していたということです。

出エジプト記の中では「十の災い」という災害が起きます。

  1. 水を血に変える(7:14-25)
  2. 蛙を放つ(8:1-15)
  3. ぶよを放つ(8:16-19)
  4. 虻を放つ(8:20-32)
  5. 疫病を流行らせる(9:1-7)
  6. 腫れ物を生じさせる(9:8-12)
  7. 雹を降らせる(9:13-35)
  8. 蝗を放つ(10:1-20)
  9. 暗闇でエジプトを覆う(10:21-29)
  10. 長子を皆殺しする(11章、12:29-33)

単純に考えて、ラムセス2世の時代にこれだけの災害が起きれば王国は繁栄するどころか、荒廃していたはずでしょう。

出エジプト記をラムセス2世の時代に当てはめるのはカナリ無理があるということです。

なのに出エジプト記は一般的にラムセス2世と関連づけられているのが不思議でなりません。

古代エジプト史の中で王国を致命的な状態に追い込んだ疫病の兆しが史実として確認されているのは約紀元前1715年。

この頃に古代エジプトの主要な港だったアヴァリス港に、腺ペストまたは発疹チフスに似た悪性の流行病が入り込んだことが確認されています。

Did an epidemic of tularemia in Ancient Egypt affect the course of world history?
古代エジプトの野兎病の流行は、世界史のコースに影響を及ぼしたか?
 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15488667

紀元前1715年は第2中間期に当たり、統治者はソベクホテプ6世(またはソベクホテプ5世)で第13王朝時代。


この時代に流行した疫病は王国をひどく弱めました。

この頃にはエジプトにたくさんのユダヤ人奴隷がいたのですが、彼らは疫病に対して抗体があったので被害を受けなかったそうです。

この抗体から疫病は、マダニによって感染するグラム 陰性バクテリアで、野兎病の原因となる「Francisella tularensis」の一種だと解説されています。

当然の結果として、これがユダヤ人の出エジプトへの序章になり、ユダヤ人たちのエジプト大量出国が起きたのは、その後であろうと括られています。

続く。



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