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マハロ

2006/03/05

ホームレスの土曜日ぃ

金曜日ぃは夕方から家に帰るまでに散々な目にあって、そして土曜日ぃも散々な目に遭った。


お昼過ぎに書き物に疲れた馬鹿な頭で、何の気なしにお財布を持って、短パンに薄いTシャツ一枚で、草履をひっかけて煙草を買いに出かけて、それか ら何となくマラサダが食べたくなったので近くの「レナード」に行ったらスゴい行列。

「こんなの待てない・・・」と思って、行きつけの近くのプレートランチ 屋へ。


別に大して食べたいものがあったわけでもなく、いつも注文するエビと野菜のアジア風炒めを頼んで引き上げたら、ポケットに鍵がないことに気がつい て驚がく・・・。

今さらお店に戻ってテーブルで食べるわけにもいかないので、結局はお持ち帰りのプレートランチを近くのベンチで冷たい風に吹かれながら食 べ終わり、さてどうしたものか? と考えた。


ウチのルーミー君はBFと一緒にお出かけしているから、いつ帰ってくるのか皆目検討もつかない。

大体は夕方前には一度帰って来るのが普通だから、そんなに焦りはしなかったものの、お使いに出ただけなので最悪な事に携帯電話まで忘れて来ている。


携帯さえあったなら、ルーミー君に電話するなりして帰りの時間さえ分かっていれば、友達に電話するなりして何処かに行く事も可能だったかもしれな いし、何頭のアイデアで時間を有効に使えたようなもんなんだけれど、鍵はないわ、携帯はないわでは、これはすでに半分ホームレス状態である。

携帯に電話番 号が登録されているので、電話帳を持って歩くなんてこともないし、電話番号を暗記するようなことも、もうとっくの昔に忘れてしまっている。

おまけに携帯が あるので経費節約で自宅には電話は繋がっていないから、インターホンで連絡も出来ない。

そういう意味では携帯っつ〜のは便利なようで結構不便でもある。


とにかくルーミー君たちが家に帰って来るまで時間を潰さなければいけない。

いつ帰って来るのか分からないのもこれまた問題。仮に何処かに時間つぶ しをしに行っている間に帰ってこられようもんなら、駐車場から大声で叫ばなければならない。

しかし仮に叫んでも彼の耳に届くかどうかも疑問である。


バスの定期券も忘れてるし、天気も良くなかったのでビーチに行く気もせず、とりあえずは近くの散髪屋に行って髪の毛を切ってもらって時間を潰すこ とに。

運が良ければその間に帰って来ているかもしれないし。

そうなったらタイミングを見計らって出入りする人に紛れてエレベーターに駆け込むしかない。


散髪はまぁまぁ上手くいって、長くなってカーリー君になってボサボサ状態だった髪の毛を、一気に短くしてもらった。

ツルツルテンまではいかなかったけど、出来るだけ短く刈ってもらったので、しばらくは散髪は無しである。


さて、散髪も終わり、ルーミー君が帰って来てるかも?という期待を裏腹に、駐車場には車は無しなので、まだご帰宅ではないご様子。

とりあえず非常 口から出て来る人のタイミングを見計らって、ビルの中に戻ってみたけど、やっぱりドアの鍵は開かないので、部屋には入れません。

全く意味のない行動でし た。


考えた挙げ句に、ジュエリーの材料を見てみようと思いつき、テクテクと数ブロックも歩いて途中の公園の御手洗いに入ったら、湿ってるわ、汚れてる わ、クラクラするぐらいに酷い匂いだった。

強烈にゲロゲロである。

とにかく用を足して、公園を横切って数分のクラフトショップまで行ったら、お店は何と前 の二倍の広さになっていてチョッくらビックリ。


ちょっと店内を見て回って、ビーズのセクションで金具等を物色して、携帯ストラップ用の紐とビーズのパックを購入。


再び数ブロック歩いて戻って行くと、今度は小雨がパラパラと降り出して、風も吹いてて肌寒いったらありゃぁしない。


再び駐車場を覗いてみたら車はまだない。と言う事は再び何かを考えなくてはいけない。


近くのバス停に日本人の女の子二人がマラサダの入った箱を持って座っていたので、そこに座って待つわけにもいかず、近くにカフェなどないし、 ちょっと困ったちゃん。

マラサダの箱の誘惑に負けて再びレナードへ引き返し、まぁまぁの列に並んで、カスタードとハウピアのマラサダを三つづつ頼んだ。

合 計6個のマラサダで$5.31だった。普通のマラサダだったらもう少し安いはず。


バス停に戻ったらまだ先ほどの日本人の二人組がベンチを陣取っているので、後ろの木の下の石に腰掛けてパクパクとマラサダを食べたら異様に甘かっ た・・・。

おまけに中からハウピアのクリームが溢れ出して口の周りに着くやら、膝の上にこぼれるやら、そのままでは蟻さんの攻撃にあってしまいそうである。

私はもおもと甘党ではないので、困ったと思って、近くのお店にジュースを買いに行って、グビグビ飲んで、再び駐車場を見ても車は無し。


バス停に戻ったら二人組はいなくなっていたので、バスは過ぎ去ってしまったらしい。バスに乗らずに消えてしまった私のことを彼女達が一体どういう風に考えているのかはカナリ疑問である。


とにかく待てども待てどもルミー君は帰って来ない。普通だったら夕方前には帰って来るから、そんなに待たなくても良かったはずなのに『今日に限っ て帰って来ないとは何たる裏切り者かぁ』と思いつつ、雨風にさらされながらバス停のベンチにひたすら座って目の前を通り過ぎて行く車の姿を見詰めていた馬 鹿な私。


ワイキキの方角から水着姿の若いお姉さん二人が腰にビーチタオルを巻き付けて過ぎ去って行く。これにはチョッチ驚いた。

少なくともビーチからは 20分以上も歩かなければいけないはずである。

しかもこの肌寒い中をである。今時の若いお姉さんの考えている事が理解出来ないわぁ。まぁロコの方々はそん な事は結構平気なのかもしれないけど。


しばらくしたら、近くのアパートから犬の散歩にお兄さんが出て来て目の前を通り過ぎて行って、近所で時々のように見かける叔母さんが子供と一緒に目の前を通り過ぎて行って、とにかく近所で一回や二回は見かけた事のある顔ぶれが目の前を通り過ぎてゆく・・・。


さっきご飯とマラサダを食べたばっかりなので、これ以上何かを食べにレストランに入るわけにもいかない。

「トランスアメリカ」っつ〜話題の映画を 見に行きたかったけど、こんな軽装ではきっと冷房で凍えてしまうだろうし、少し遠いし、しかもマラサダの箱を抱えて映画館に行くわけにもいかないから諦め た。

再び困ったちゃんである。


結局そのままバス停のベンチに座って延々と一時間以上もルーミー君の帰りを待っている間にドンドンと肌寒くなって小雨が横から吹き始めるし、ちょっと大変・・・。


しばらく前に犬の散歩に出かけたお兄さんも、寒さと小雨に負けたのか、テクテクと帰って来て、しばらくしたら叔母さんと子供も白いプラスチックの 買い物袋を両手に下げて帰って来た。

しかしスーパーは反対側なはずであるから、一体彼等はどこに買い物にいったのだろう・・・・? 

考えられるのは少し先 のガソリンスタンドであるが、それなら近くのコンビニの方が断然近いので、ちょっと疑惑が湧いて来る。


そんなこんなで辛抱強く待っていたら、近くの公園に出没するホームレスのお兄さんがスーパーのカートに訳のわからん荷物を積んでガラガラと音を立てて目の前を通り過ぎて行った。


かくいう私も半分ホームレス状態である。しかもプロのホームレスのように、生き残るための予備知識は持ち合わせていない。

近くに教会があるわけで もないから非難も出来ないし、とにかくそのままベンチに座って雨風を避けながら延々とルーミー君の車が帰って来るのを待ち続けている間に、何人の人たちが 目の前を通り過ぎて行った事か・・・。

そしてその人たちの何にかはきっと私のことをホームレスだと思ったに違いないと思う。

こんなに寒くてはオチオチと ホームレスなどやってはいられない。

一体彼等はどんな場所で寝泊まりしてるのか? 

シェルターはチャイナタウンの先だから、ここからシェルターまでガラガ ラ音を立ててカートを押して行くのは到底不可能であるから、きっと何処かに隠れ家があるに違いないと思う。


フト昔知り合いだったクラブ仲間が一時期ホームレスになってダイヤモンドヘッドの海岸の崖にある洞窟のような場所で寝泊まりしていたっつ〜話しを 思い出した。

他にもある会社のエクゼクティブの男性は、一時期だけ橋の下に住んでいたらしい。携帯もあるし、スポーツクラブに入っているからシャワーも問 題なかったという話しである。

確かに家賃代がなくなれば、かなり節約出来るけれでも、かと言って私に彼と同じことが出来るかどうかはスゴク疑問である。


とにかく何処にも行けないので、そのままバス亭に座ってバスを待つ振りをし続けて、エラく寒くなって来たので、ベンチから外れて風を避けるように してバス停の柱の影に体操座りで膝を抱えて座り込んで、ビルの合間の曇り空の雲の中に夕日が沈んで行くのを眺めていても、刻一刻と夕暮れが迫って来て、空 はドンヨリとした紫色になっても一向にルーミー君は帰って来ない。


座る場所を変えて再びベンチに座って待っていたら、若い日本人のカップルがやって来てとなりに座って一緒にバスを待った。

『彼等もわざわざワイキ キからレナードまでマラサダを食べに来たのだろうか?』そんなことを考えてたら一時間に一回しか来ないバスが止まって、二人はバスに乗り込んでいったけど、 私は乗らずに再びベンチに座ったまま。

きっと彼等も私の事をホームレスと思ったに違いない・・・。


もうこなったら焼け糞なので、何が難でもこのまま待ち続けてみせると思いきや、どんどん寒くなるし、身体は冷たくなるし、ちょっとグッスン状態に なってきた。

目の前を走って行く車もヘッドライトを光らせてるし、夕暮れを通り過ぎて夜になってしまっているし、そろそろ近くの中華屋さんにでも行って温 かい中華そばでも食べようかと思っていたら、道路からようやくルーミー君の車が登場。


ハァ助かった。


『もっと有意義に時間を過ごせば良かったかも?』と思いつつも、まぁ半日ホームレス気分を味わったので、それもまた良しという事にして、明日の日曜日に命を掛けるしかないと思う。

しかし明日の夕方は空港に友人を迎えに行かなければならないので、それも頭が痛いかも・・・。


明日も散々な一日だったらどうしようかしら・・・。


ウ〜ん、考えても仕方が無いから、明日は明日の風が吹くということで、二度ある事は三度ある状態にならないように、三度目の正直で、この散々状態を切り返さなければなるまいのぉ・・・。

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