今朝、ルーミー君は一回のランドリールームで馬鹿な会話を耳にしました。
二人の白人の女性が洗濯をしていたのですが、 これがまた突拍子もない内容だったそうです。
「ハワイカイの道路標識は他とは違うのよ、あれはジャパニーズかコリアンが混ざってると思うわ」
確かにハワイの道路標識というか、通り名の標識は本土とは違います。
ハワイでの通り名の殆どは、昔からのハワイ語でのその地域の呼び名か、由縁のある名前であることが多いです。
でも今の所は日本語とか韓国語の名前の標識を観た記憶はありません。
本土からの人にとっては、日本語もハワイ語も韓国語もゴチャマゼのように見える、もしくは聞こえるのかも知れません。
「それに綴りが読めないのよね」
それは確かにそうかもしれません。わたしも最初の頃は非常に読みにくかったし、覚えにくかった記憶があります。
本土から来た人はきっとクーヒオ王子の名前から取られた「カラニアナオレ」なんて言えないに決まっています。
このややこしい名前は「カ+ラニ+アナ+オレ」で「量り切れない王族のチーフ」という意味なのですが、この「カラニ」には「王族のチーフ」の他に「空」という意味もあるので、カラニアナオレ・ハイウェイを言い換えると「天へと続く終りなき道」となります。
ハワイ語というのは、非常にポエティック(詩的)な表現の多い言葉です。
ワイキキの目抜き通りの七代目モナークのデーヴィッド・カラーカウアの名前からとられた「カラーカウア・アヴェニュー」なんていうのは舌が回らなくて上手く言えなかった記憶があります。
要は日頃使い慣れてない、もしくは耳慣れない配列の発音や、 読み慣れない単語の綴りというのは、得てして脳みそにインプットされにくいものなのでしょう。
今でこそハワイ語の単語のヴォキャブラリーがかなりあるので、大体の街の名前も読めるし、聞き取れますが、全部の土地の名前の意味が分かるか?と言ったら別問題で、知らないハワイ語の名前の場所なんて沢山あります。
昔住んでいたカパフルでさえ、枯れ果てた土壌という意味なのですが、これは「カ+パフル」であって「カパ+フル」ではありません。
ハワイ語は発音記号が表記されてないと、意味が全く違ったものになりえるので、下手するととてもややこしいと思います。
かの「ワイキキ」でさえ、本当は「ワイキーキー」だし、「ハワイ」だって本当は「ハワイイ」なのです。
ワイキーキーとダウンタウン近辺の通り名は、王族の名前と、クレグホーンとかスシタラとか、王族に関係していた人々の名前が多いです。
さらにややこしいのが数段階にも及ぶ「カオナ/隠喩」の使い回しで、このカオナを知らないと困ったチャンになることも多々あります。
かの「カメハメハ」の場合は、「カ+メハ+メハ」なのですが、 この「メハ」というのは普通は「孤独な」とか「独りの」とか、「疎外された」とか言う意味を指し、単語を二乗にして続けて使って強調をつけているわけです。だから「とても孤独な」という形容詞に発展します。
だから私は昔から単語を二乗にして続けて使うのが好きなのだろうか? と思ったりします。きっと私の記憶のどこかに昔の習慣が残っているのかも知れません。
この「メハ」という単語には「古代のカプ(禁制)を維持する為に家に閉じこもって座る」という意味もあるので「聖職」と意訳されることもあり、 「カメハメハ」は「とても聖なる人」と言われることもあります。
土地の名前の曰くを調べていたら、大体において昔の伝説に絡んでいることが多いので、これは非常に興味深いと思います。
最近で一番スゴイと思ったのは雪の女神の「ポリアフ」の意味です。
ハワイ島には「マウナケア」と「マウナロア」の二つの大火山が聳えているのですが、この山々を「ポリ/乳房」に例えて、頂点を隠す雪が「アフ/上半身と肩を覆う外套」に例えられているわけです。
だから「ポリアフ」の意味は「乳房を覆う外套」になります。
しかしこの「アフ/外套」と言うのは、羽で編まれた「アフウラ」と言う、王族の男性のチーフしか着る事が出来なかった代物なので、考えようによっては非常にエロいイメージが涌いて来ます。
今風に言えばただのブラジャーなのですが・・・。
そういう意味でハワイ語は「詩的な言葉」と言われるのです。
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